G Adventures の若手カリスマ社長ブルースが語る自由と幸福の継続ツーリズム

カナダのアドベンチャーツアー会社、G Adventures の若手カリスマ社長ブルース・プーン ティプ (Bruce PoonTip) さんが今後の サステンナブル(Sustainable -地球に優しい、継続的な)ツーリズム の役割と重要性、自由と幸福を初めとしたG Adventures のフィロソフィー(哲学)とビジネスモデル等を語るイベント Future of Tourism が5月31日、バンクーバーのシアター The Centre で行なわれました。

日本で言えば、H.I.S (エイチ・アイ・エス) 創業者、澤田秀雄氏のような存在のブルースさんは、同じように若くして成功したカナダではカリスマ的存在の創業者兼社長です。 また、ビジネスの初めも同じように数人で始めたこの会社は今では、世界各国にオフィスを広げ、トラベルグループに属さず、 世界一大きい単独アドベンチャーツアー会社となりました。 今では、カナダのお客様は売り上げの14%を占めるだけで、世界各国から参加者が増え、まさに世界1の多国籍ツアー会社です。

まず、イベントはカナダで有名な生物学者で、環境問題活動家の David Suzuki (デヴィッド・スズキ )さんのビデオに収録した話から始まり、無料ツアーの抽選を先にしてから G Adventures の非営利団体として別に設けた Planeterra Foundation (プラネタリア・ファンデーション)の活動内容を説明しました。

下記は公演で利用されたビデオの一つです。 その中には旅行業は世界の10%の経済を支え、8%の労働の供給をしており、47%の人が途上国を旅行先に選び、12分の1の人が旅行業に携っている。 そして旅行業は1:2.5の割合で別の業種もサポートしていると、旅行業がいかに世界経済に影響があるのかという事実を述べた後に、

でも、それなのにどうしてお金が地元のコミュニティーに届いてないのだろうか?

と問われます。 ブルースさんの話の中にもありますが、多くの人はオールインクルーシブのリゾートに泊りその敷地の外に出ません。 そうすると支払われるお金はその敷地内に留まり、地元以外のオーナーの手に入ります。 そうではなく、もっと地元のレストラン、お店、タクシーを利用して、地元の人に還元しましょうと声をかけてます。 そして、地元の文化や自然を守り、経済を維持させる事が長い目で見た支援であり地球を守る事であると。

プラネタリアの活動は、地元の人に職練の機会を与え、そのままビジネスにし地元の人で運営していくようにしたり、飲み水の供給、学校や失明した人達のサポート等をしてます。 これらはツアーリーダーや地元の人達から要求からプロジェクトは生まれていきます。 そしてツアー中にもそのプロジェクトを訪れ、多くの人に実際に体験出来る様にしてます。

この後は、世界を5年かけて旅をしていたアメリカのカップルの話がありました。 そして、大きなスクリーンの隣には会場にいる人や世界中からライブで寄せられるツイッターのスクリーンがあり、その中でも ブルース! ブルース! ブルース! と多くの人が待ち望んでいたブルースさんがとうとう現れました。

グーグルを始めとした旅行業以外の組織や会社にも招待されて彼のビジネスビジョンを公演するだけあり、マイペースで機知に富むブルースさんの話は面白く、爆笑が続く事も多々。 初めから最期まで彼の話には惹きつけられます。 他の会社にいいツアーを作られムカついて ( pissed off と表現はキツイが面白おかしい口調で)、それでは何かそれ以上にそして他と違った事は出来ないかと、常にビジネスマインドであっても、” 普段の家での快適さを旅先にも求めるような人は、頼むから家にいてください! ( If you want the comfort of home,   Please STAY HOME! ) ”と以前から、G Adventures のスタイルに共感できない人には無理強いしない姿勢も代えてませんでした。

今ではエコツーリズム、グリーンツーリズム、サステンナブルツーリズム、リスポンシブル(責任を持った)トラベル、倫理トラベル (人権や動物愛護等)と微妙に異なる呼び方があり、またそれぞれが矛盾する場合もあります。 G Adventures の使命としてはこの違いを説明し、一つにする事は無理である事の理解と、最終的には個人の価値観で選んでもらう事であるそうです。

例えば、アフリカサファリは動物愛護やエコ・グリーン概念には反する事かもしれません。 でも少しでも保護しながら発達させる事で地元の人への還元となります。 そして営利がなければそれらの活動や人々をサポートする事ができません。 G Adventures はツアーの差別化も含め地元還元として、インドのデリー市内観光では、ストリートキッズ(家族や家がなく道に住む子供達)をガイドに雇いました。 子供の労働に反対する人(倫理トラベル)の人達には憤慨なアイデアでしょう。 でもサステンナブルの考えからすれば、子供達をこの事で教育、また正当な収入源でストリート生活から脱出する機会を与えます。 ただ、お金や家を与え、一時的に回避させるのではなく、自分達で脱出させる事は長い目で見た確実なサポートです。

途上国では物乞いをする人が多いですが、どんなに可愛そうに思ってもその人にお金を与える事は物乞いを奨励しているようなものなので避けたいものです。 私も物を売ったり、靴磨きをしたりと、何か働いてお金を稼ごうという子供達には極力平等にと協力するようにしますが限界があります。 ですので信頼のおけるコミュニティーに寄付をして平等な教育やサポートをする事がお勧めです。 ですので、私もG Adventures のストリートキッズツアーやプラネタリア の活動は大いに感銘します。

なぜか途上国で大変地域的で小さい事でも起こってニュースで報道されれば、人々はその国に訪れる事を控えます。 でも、その事で一番ダメージを与えられるのは、ツーリズムで生計を立てている屋台の叔母さんや、リクシャーを漕ぐ叔父さんだったり、ホテルの前で小さな駄菓子屋を営む人、小さなホテル経営の人だったりします。 まさに、ツーリズムはヒューマンビジネスです。 旅は、旅人自身に影響を与えますが、精神的にも経済的にも出会った人達の人生や生活ぶりを代えます。

サステンナブル・ツーリズムは活動を生み出そうとしてます!

このような、ツーリズムやG Adventures の役割や活動の話をした後は、人生、ビジネスも含めた自由と幸福の話をしてくれました。

自由は大胆さの中にある

幸福の秘訣は自由であり、自由の秘訣は勇気である

取り組んでいる事が達成した時、自分で決めた道を進み、人生や生活を自分でコントロールしていると感じる時、そして、それにコネクション(繋がり)がある時、幸福と感じませんか? 例えば、与えられた仕事を完璧にこなしても、その仕事が好きだというコネクションがなければ、仕事が出来ても、幸福とは感じません。

やってる事が好きなのは幸福で、好きな事をしているのは自由だ!

人、地球、利益(People, Planet, Profit )は経済、環境、社会の組織的成功を図るための価値と基準の根本である。 これが強くなくてはサステンナブルにはならない!

ブルースさんの概念、そしてその概念に惚れ込んで働く G Advetures のスタッフの目的の一つは、

Create Happiness & Community 幸福とコミュニティーを作る事!

そんな彼らからのメッセージです。

会場には、多くの人が参加してました。

約5年ほど前のスタッフの一人で、バンクーバー支店で働いていて数回しか会ったことがない私の名前をいまだに覚えていてくれたブルースさんと。

東アフリカで避難キャンプに歩いて移動中、脱水で死んでいく人が多いというニュースにすぐに反応して、途中に水の供給場を作れないか、寄付金を募り、2日程で必要な金額を集め飲み水の供給場を作ったり、ツアーの催行がなく繋がりはなくてもハイチの地震でもすぐに救援活動に出かけたり募金を募ったりと人を大事にし、行動の早いブルースさんです。

ブルースさんと彼の記事は こちら

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